―温いな…手にした剣が泣くぞ…?

―あなた方の命も、こちらのお城も、私達は何の興味もありません…。

―これもまた、時空の流れだ…。


―いらね…ひとりで寝る。





誰だって痛みを与えて、与えられている。










「ヴィータ寝る時は布団剥いだらアカン!毛布はしっかりかけて寝なアカン!!」
「えっ、はやてぇ!暑いよぉ!!」
「アカン!!寒かったら風邪ひくで!風邪ひいたら辛いんやで!!」
はやては、文句を言うヴィータにかぶせた布団を軽くぱふぱふっと叩く。
文句は受け付けられない。暖かい格好をさせないまま寝かせられない。
「私も一緒に寝るから!」
「…うぅ〜…」
ひとりにしたくないから。








「ザフィーラ!ご飯はしっかり食べなアカン!!」
「…………」
山盛りに山盛りを重ねた食物にザフィーラは戸惑う。
しっかりと、と言われても、これだけの量は流石に食べられまい。むしろ、食した場合、具合が悪くなる事は明白だ。
「主…」
「な!」
「はい…」
主の珍しく強い口調に、ザフィーラは押されきってしまった。







「はやてちゃん急にどうしたんですか?」
「シャマル!女の子はちゃんと着飾らなきゃアカン!!」
「でもぉ…」
シャマルは、はやてに問う。
急に外に買い物へ行こうと言うはやてを不思議に思って。
「主はやて…どうして…」

シグナムもシャマル同様、不思議に思い、尋ねる。
はやてはその問いに首を傾げて、考え込む。

「んー…?何でやろな…?」
「その…ヴィータもザフィーラも…不思議がっているようで…」
ヴィータもザフィーラも、ここ数日のはやての行動を不思議がっていた。
いつもと変わらないのに、どこかおかしい。



「何か急にみんなをもっと幸せにしたげたくなったんや」
「そ、そうですか…」
シャマルもシグナムもその一言で押し黙る。



実際ははやて自身がわかっていない。
どうしてこんな気分になったのか。

どうして、もうひとり、幸せにしてあげなくてはいけない気がするのか。





まだわからなかった。






END

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