ユダシン好きに表10題消化
2006年10月10日 SS1、悠久の調べ(「楽園喪失」以降ユダ視点)
忘れられない。
忘れる事なんて出来ない。
あの日、心を奪われた。いともたやすく、胸の内には入り込み、染みていった。
そうした音色を、忘れる事は出来なかった。
悠久の時を生きても、天を堕とされても。
もう聞く事は出来ないけれど、ずっと胸の中で響き続けている。
ずっと。
ずっと。
2、耳を塞ぎ目を塞ぎ心を閉ざす(パン→シヴァ→ユダ×シン)
―彼を受け入れると言う事は、私の側から離れると言う事なのですね。
戸惑いと嫉妬。
自分の感情に気付きもしないで、ただ彼らを見ていた。
隣りにいた筈の者から刺す様に責める、刺す様な、けれど揺れた瞳で見つめられ
ても気付かずに、愛しい者にだけ瞳を向ける彼を見たくはなかった。
自分の感情に気付かなかったけれど、それすらも目を逸らしたかったけれど、見
てしまった。
自分の心に蓋をして、溢れる言葉を飲み干して。
3、夢に堕ちる(「楽園喪失」以降シン視点)
もう、戻れないと知りながら、何度も何度も夢に見る。
あの優しかった日々を、あの暖かかった日々を。
それが例え、“逃げ”であっても、過去を懐かしむ事は止められない。
またあの頃に戻れたら、そんな甘い考えに嫌気がさす。
どんなに思い続けると決めたとしても、もう戻れるものなど何ひとつないのだか
ら。
だから、今日も夢を見る。
―甘くて、優しくて、幸せな悪夢(ゆめ)を。
4、裏切る/裏切れない(ユダ×シン前提キラ→シン)
あなたを裏切る事など出来ない。
裏切れない、裏切りたくない。
ずっと悲しいまま癒されなければ良いと思うほどにあなたに囚われていたい。
けれど、彼は手を伸ばす。触れられるだけ、触れたい時に触れられるぬくもり。
思い出など書き消されそうになるほど、熱く、今はそばに。
裏切りたくない。
裏切れない。
―裏切らせないで。
5、ただ側に…(「楽園喪失」以前シン視点)
「『ふたりは末永く幸せに暮らしました』…か」
優しいおとぎ話の決まり文句を口にして、物語を閉じる。
何となく手に取った物語は残酷さを隠して優しさだけを見せていた。
残酷なのは現実、幸せなのはおとぎ話。
自分はただそばにいる事が出来れば幸せなのだけれど、それもおとぎ話なのか、
それとも現実なのか。
不安で、眠れない。
そんな気持ちのまま、ハープを爪弾く事は残酷なのだろうか。
6、遠い近い遠い(「楽園喪失」以前シン視点)
彼の噂は聞いていた。
姿も、その力も。
周りを魅了する姿は遠く、ただ姿を見ていた。
それが些細なきっかけで、こんなにも近くにいる。
目と目を合わせて、言葉を交わして、隣りに並ぶ。
それが嬉しくて、自然と心が優しい。
再び、遠くならない事を心から願った。
7、言葉の端に見えなければならかったもの(「楽園喪失」以降ユダ視点)
―あの時、異変に気付いていれば。
あんなにも彼を傷つける事はなかったかもしれない。
ほんの僅かな事でも、少しでも疑えていたら。
せめて、一矢報いる事が出来たかもしれない。
自分が天から堕とされても、残る彼らが必ず大神を倒せる様、何らかの手を打て
たかもしれない。
そんな、もうどうしようもない後悔が胸を通り抜けては消えて行く。
疑う事で、傷つけたくなかったのだ。
それだけの事だった。
たったそれだけの。
8、偽りを知らぬ眼(「楽園喪失」以降シン視点)
射抜かれる様な瞳に、誰もが惹かれていく。
貫く様な生気を纏った瞳、正しい道を選び取る眼。
例え、天から堕とされようとも。
例え、暗黒の森に堕とされようとも。
誰もが惹かれて、共に神に反旗を翻した。
それは自分も同じ。
他の天使と、何ら変わりはなく、ただ特別な場所にいたと自惚れるしか出来ない
自分がいた。
どうしようもないくらい、あの強烈な姿に、惹かれて止まない。
9、白(「楽園喪失」以前ユダ×シン)
「綺麗な色…ですよね」
「……?」
解けたリボンを結び直してくれると言う彼に手渡そうとして、不意に思った。
彼は不思議そうな顔をして、こちらの顔をのぞき混んで来る。
綺麗な白。まるで彼の心の様に汚れない。
そう、心のままに口にすると、彼の指先が愛しげに髪をすくい取り、口付ける。
「シン…」
頬が朱に染まる。
―この白とは正反対の朱。
10、恋は闇(「楽園喪失」以前ユダ視点)
自分は彼以外見えていないのではないかと思う時がある。
例えば、夜。
何もなくても彼の側にいたいと思う。
側に寄り添い、その手を取り、この腕に閉じ込める。
夜が明けなければ良いと、何度願っただろう。
そんな事、許されないと知っていながら。何度も願う。
何度も、何度も、何度も。
彼の他に、何も見えない。
忘れられない。
忘れる事なんて出来ない。
あの日、心を奪われた。いともたやすく、胸の内には入り込み、染みていった。
そうした音色を、忘れる事は出来なかった。
悠久の時を生きても、天を堕とされても。
もう聞く事は出来ないけれど、ずっと胸の中で響き続けている。
ずっと。
ずっと。
2、耳を塞ぎ目を塞ぎ心を閉ざす(パン→シヴァ→ユダ×シン)
―彼を受け入れると言う事は、私の側から離れると言う事なのですね。
戸惑いと嫉妬。
自分の感情に気付きもしないで、ただ彼らを見ていた。
隣りにいた筈の者から刺す様に責める、刺す様な、けれど揺れた瞳で見つめられ
ても気付かずに、愛しい者にだけ瞳を向ける彼を見たくはなかった。
自分の感情に気付かなかったけれど、それすらも目を逸らしたかったけれど、見
てしまった。
自分の心に蓋をして、溢れる言葉を飲み干して。
3、夢に堕ちる(「楽園喪失」以降シン視点)
もう、戻れないと知りながら、何度も何度も夢に見る。
あの優しかった日々を、あの暖かかった日々を。
それが例え、“逃げ”であっても、過去を懐かしむ事は止められない。
またあの頃に戻れたら、そんな甘い考えに嫌気がさす。
どんなに思い続けると決めたとしても、もう戻れるものなど何ひとつないのだか
ら。
だから、今日も夢を見る。
―甘くて、優しくて、幸せな悪夢(ゆめ)を。
4、裏切る/裏切れない(ユダ×シン前提キラ→シン)
あなたを裏切る事など出来ない。
裏切れない、裏切りたくない。
ずっと悲しいまま癒されなければ良いと思うほどにあなたに囚われていたい。
けれど、彼は手を伸ばす。触れられるだけ、触れたい時に触れられるぬくもり。
思い出など書き消されそうになるほど、熱く、今はそばに。
裏切りたくない。
裏切れない。
―裏切らせないで。
5、ただ側に…(「楽園喪失」以前シン視点)
「『ふたりは末永く幸せに暮らしました』…か」
優しいおとぎ話の決まり文句を口にして、物語を閉じる。
何となく手に取った物語は残酷さを隠して優しさだけを見せていた。
残酷なのは現実、幸せなのはおとぎ話。
自分はただそばにいる事が出来れば幸せなのだけれど、それもおとぎ話なのか、
それとも現実なのか。
不安で、眠れない。
そんな気持ちのまま、ハープを爪弾く事は残酷なのだろうか。
6、遠い近い遠い(「楽園喪失」以前シン視点)
彼の噂は聞いていた。
姿も、その力も。
周りを魅了する姿は遠く、ただ姿を見ていた。
それが些細なきっかけで、こんなにも近くにいる。
目と目を合わせて、言葉を交わして、隣りに並ぶ。
それが嬉しくて、自然と心が優しい。
再び、遠くならない事を心から願った。
7、言葉の端に見えなければならかったもの(「楽園喪失」以降ユダ視点)
―あの時、異変に気付いていれば。
あんなにも彼を傷つける事はなかったかもしれない。
ほんの僅かな事でも、少しでも疑えていたら。
せめて、一矢報いる事が出来たかもしれない。
自分が天から堕とされても、残る彼らが必ず大神を倒せる様、何らかの手を打て
たかもしれない。
そんな、もうどうしようもない後悔が胸を通り抜けては消えて行く。
疑う事で、傷つけたくなかったのだ。
それだけの事だった。
たったそれだけの。
8、偽りを知らぬ眼(「楽園喪失」以降シン視点)
射抜かれる様な瞳に、誰もが惹かれていく。
貫く様な生気を纏った瞳、正しい道を選び取る眼。
例え、天から堕とされようとも。
例え、暗黒の森に堕とされようとも。
誰もが惹かれて、共に神に反旗を翻した。
それは自分も同じ。
他の天使と、何ら変わりはなく、ただ特別な場所にいたと自惚れるしか出来ない
自分がいた。
どうしようもないくらい、あの強烈な姿に、惹かれて止まない。
9、白(「楽園喪失」以前ユダ×シン)
「綺麗な色…ですよね」
「……?」
解けたリボンを結び直してくれると言う彼に手渡そうとして、不意に思った。
彼は不思議そうな顔をして、こちらの顔をのぞき混んで来る。
綺麗な白。まるで彼の心の様に汚れない。
そう、心のままに口にすると、彼の指先が愛しげに髪をすくい取り、口付ける。
「シン…」
頬が朱に染まる。
―この白とは正反対の朱。
10、恋は闇(「楽園喪失」以前ユダ視点)
自分は彼以外見えていないのではないかと思う時がある。
例えば、夜。
何もなくても彼の側にいたいと思う。
側に寄り添い、その手を取り、この腕に閉じ込める。
夜が明けなければ良いと、何度願っただろう。
そんな事、許されないと知っていながら。何度も願う。
何度も、何度も、何度も。
彼の他に、何も見えない。
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