書きかけSSで、クロノくんがホッとした時点で私の脳がシリアスモードでなくなりました。待って!まだシリアスの部分あるから!!!!


書きかけのSSの一部。全年齢対象にして、後々こちらでもアップしようかと。前半部分どれだけホラーテイストにしようか考え中。






「何で? だって、クロノは……」
「何でって……クロノがなのはを好きだったのは事実だよ」

 ここは無限書庫の一角。閃光のような金の髪の少女は、蜂蜜色の髪の少年にしがみついていた。
 少女はフェイト・テスタロッサ・ハラオウン。少年はユーノ・スクライアだった。美少女と美少女を見まごう美少年が並んでいて、傍から見るとなかなかの目の保養。場合によっては可愛いカップルと見間違われそうだが、実際は二人は現役の恋敵であった。
 クロノに無自覚に八つ当たりを受けたユーノはやはり忙しなく検索魔法を実行していた。それに加え、司書たちの指示、弾き出されたデータの検証エトセトラエトセトラ―――これらは全部、フェイトの義兄・クロノの八つ当たりに対する結果であった。

 どうやらエイミィと一悶着あったらしいクロノは、表面上は普段通りの仏頂面であったが、内面はひどく荒んでいた。なのはに対しての八つ当たりは自覚あるものだったが、こちらの年若き友人に対する八つ当たりは無自覚だった。さすが、自覚がなかったというのに恋敵をいびった男である。

 エイミィの暴露によってすべてを知ったフェイトは混乱したままユーノのもとへと詰め寄った。クロノの初恋の相手がなのはとは本当なのかと、フェイトはユーノに問う。
 数日前、ほぼ全く一緒の質問を彼女の義兄から受けたのは気のせいか。気のせいではなかった。ユーノは心の中で呟いた。ユーノの恋心に気付いていながら、こういう質問をするとか、兄妹そろって何なのだ。しかも、クロノなんて、なのはとフェイトの仲を知る前には、応援しているなんてバカなことを口走っていた。フェイトはユーノの気持ちを知りながら、彼の気持ちを尊重して、なのはには伝えなかった。血が繋がっているわけではないのに、何でこの兄妹はこんなに似ているのだ。
心の中だけで済ますのは、ユーノの優しさだった。彼にも友人を心配する心はある。


 フェイトはユーノの考えてることなど察することなく、あわあわと混乱していた。あれ?とか、クロノはエイミィが好きなのにとか、そんなことをしきりに呟いている。
 フェイトはユーノという恋敵の気持ちには気付いているが、クロノという元恋敵の恋心には気付いていなかったらしい。だからこそ、こうやって突然の恋敵の出現に混乱している。よりにもよって義兄が恋敵であっただなんて、そうないことだろう。混乱する気持ちはわかる。
 ただ、ユーノの仕事の状況を考えてほしかったが。

「フェイト……僕は仕事があるから、言いたいことがまとまらないならメールで……」
「なのはがクロノのとこに行っちゃって……どうしよう、何かあったら……」
「人の話を聞いてー!?」
「クロノ……エイミィと喧嘩してるみたいだし、なのはは可愛いからついクロノがクラッとかなったら………!」
「ねえ、人の話聞いてる!? ていうか、クロノ信用ないの!?」

 全くもってユーノの言葉を聞いていない。恋する乙女は止まれないのだ。恋は闇と、よく言ったものである。フェイトはあわあわと混乱しながら、ぐっとユーノの腕を掴む。ユーノがまさかと思った、次の瞬間――――彼の姿は無限書庫から消えていた。






私は「恋は盲目」というより「恋は闇」っていう方が好きです。意味はほぼ一緒ですよ。

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